幕末の女性

グラバー夫人

屋敷は洋風平屋で、屋根だけが黒瓦をおいた日本風である。グラバー自身の設計で日本人の大工がこしらえたのだという。三人は応接室に通された。八畳ほどのひろさで、窓ガラスを通して湾内の灯がみえる。やがてグラバー夫人のお鶴が、みずから酒と料理をはこん...
諸外国

グラバー商会

翌日、軍艦買いつけに出かけた。「どこで買うのであります?」と、俊輔は饅頭屋に聞いた。饅頭屋は得意そうに、「大浦海岸でござるよ」大浦海岸には、欧米の貿易商人の商館がずらりとならんでいる。「英国人で、グラバーという者です。大浦海岸最大の商館で、...
竜馬がゆく

第二次長州征伐

「坂本さんに、わが藩の半分をまかせるゆえ、幕府海軍を制圧してもらえんだろうか。あとの半分はわしがひきいる」と、高杉はいった。作戦と部署が決まった。長州海軍には四隻の軍艦がある。これを二つに分けて第一艦隊と第二艦隊とし、第一を高杉が担当し、第...
徳川幕府

龍馬襲撃

(捕吏。)と思ったとたん、おりょうはそのままの姿で湯殿をとびだした。自分が裸でいる、などは考えもしなかった。裏階段から夢中で二階へあがり、奥の一室にとびこむや。「坂本さま、三吉さま、捕り物でございます」と小さく、しかし鋭く叫んだ。竜馬はその...
長州藩

長州ファイブ!密航

幕末における長州藩の暴走というのは、一藩発狂したかとおもわれるほどのもので、よくいえば壮烈、わるくいえば無謀というほかない。国内的な、または国際的な諸条件が、万に一つの僥倖をもたらし、いうなればこの長州藩の暴走がいわばダイナマイトになって徳...
徳川幕府

灘五郷・嘉納家の上納金

江戸城消失に嘉納家、1100両を上納 文久三年(1863年)11月13日、江戸城本丸、二の丸、西の丸が焼失する。二の丸・西の丸は再建されるが、本丸御前は再建されないままとなった。(幕末維新史年表より) 江戸後期、下り酒で大きな利益を上げた灘...