竜馬がゆく薩長同盟 竜馬はだまっている。やがて火鉢のふちをつかみ、「委細は桂君から聞きました」と、迫るようにいった。「ほう」「西郷君、もうよいかげんに体面あそびはやめなさい。いや、よい。話はざっときいた。桂の話をききながら、わしはなみだが出てどうにもならなんだ... 1866.01.21竜馬がゆく薩摩藩長州藩
徳川幕府桜田門外の変 井伊直弼 門前で馬蹄の音が止まったかと思うと、庭先へ旅装の武士が駆け込んできた」「竜馬、一大事じゃ」武士は武市半平太である。「珍しい、おまんがそんな昂ぶっちょるのは」「大老井伊直弼が、江戸桜田門外で身と、薩摩の夕刻の烈士のために殺されたぞ」竜馬がゆく... 1860.03.03徳川幕府竜馬がゆく
竜馬がゆく生麦事件 香港ずれをした不幸な四人の英国人は、そういうすべてを、軽くみた。日曜日。快晴である。馬上、談笑しながら東へ進んだ。向こうから薩摩の行列がやってくるのだが、歩度をゆるめようともせず、むろん、馬からおりようともしない。当時、このあたりの街道は、... 1862.08.21竜馬がゆく薩摩藩
幕末の女性グラバー夫人 屋敷は洋風平屋で、屋根だけが黒瓦をおいた日本風である。グラバー自身の設計で日本人の大工がこしらえたのだという。三人は応接室に通された。八畳ほどのひろさで、窓ガラスを通して湾内の灯がみえる。やがてグラバー夫人のお鶴が、みずから酒と料理をはこん... 1865.07.02幕末の女性竜馬がゆく
竜馬がゆく第二次長州征伐 「坂本さんに、わが藩の半分をまかせるゆえ、幕府海軍を制圧してもらえんだろうか。あとの半分はわしがひきいる」と、高杉はいった。作戦と部署が決まった。長州海軍には四隻の軍艦がある。これを二つに分けて第一艦隊と第二艦隊とし、第一を高杉が担当し、第... 1866.06.16竜馬がゆく長州藩
徳川幕府龍馬襲撃 (捕吏。)と思ったとたん、おりょうはそのままの姿で湯殿をとびだした。自分が裸でいる、などは考えもしなかった。裏階段から夢中で二階へあがり、奥の一室にとびこむや。「坂本さま、三吉さま、捕り物でございます」と小さく、しかし鋭く叫んだ。竜馬はその... 1866.01.23徳川幕府竜馬がゆく