江戸時代の常識・風習旦那は人が斬れますかね 嘉永六年八月二十一日 八月も暮れようとしたある日、鍛治橋の藩邸に、思いもかめぬ人物が訪ねてきた。盗賊、寝待の藤兵衛である。竜馬が、「こいつぁ懐かしい」と招き入れると「旦那、頼みがあるんだ。藪から棒にこう言うのも何だが、旦那は人が斬れますかね... 1853.08.21江戸時代の常識・風習竜馬がゆく
江戸時代の常識・風習伏見_女酒 日が傾いた頃、船は伏見についた。龍馬が荷物をまとめていると、寝待の藤兵衛からしきりと世話を焼いて、「旦那、伏見のとまりはどこになさいます。」もう人前だから、お店者の言葉になっている。「そうだな。別に当ては、ないな。」「ではこうなさいまし。手... 1853.03.25江戸時代の常識・風習竜馬がゆく
土佐藩べこのかあ 「なんじゃ、坂本。そのかっこうは。人を嘲斎坊(ちょうさいぼう)にしくさるか」「おれは、べこのかぁじゃけんのう。べこのかあがべこのかあどもを退治するのは、この格好が一番えぇ」「ちぇっ、この べこのかあぁ」せまい部屋に土佐言葉の罵声がはんらんし... 1853.04.18土佐藩竜馬がゆく
竜馬がゆく亀山社中 「さて、御一行の仮り陣屋ですが」と、旅館に入ると、長崎の薩摩藩士が竜馬にいった。「長崎は土地が狭く、手ごろな家屋がなかなかみつかりません。そこであの岡に」と、障子をあけ、港の南側にのびのびとひろがっている亀の背のような岡を指さし、「一つ、あ... 1865.06.01竜馬がゆく豪商・商人
竜馬がゆく薩長同盟 竜馬はだまっている。やがて火鉢のふちをつかみ、「委細は桂君から聞きました」と、迫るようにいった。「ほう」「西郷君、もうよいかげんに体面あそびはやめなさい。いや、よい。話はざっときいた。桂の話をききながら、わしはなみだが出てどうにもならなんだ... 1866.01.21竜馬がゆく薩摩藩長州藩
徳川幕府桜田門外の変 井伊直弼 門前で馬蹄の音が止まったかと思うと、庭先へ旅装の武士が駆け込んできた」「竜馬、一大事じゃ」武士は武市半平太である。「珍しい、おまんがそんな昂ぶっちょるのは」「大老井伊直弼が、江戸桜田門外で身と、薩摩の夕刻の烈士のために殺されたぞ」竜馬がゆく... 1860.03.03徳川幕府竜馬がゆく