1858-09-19

浪人浮浪雲

掛川の宿 清水次郎長

富士の見える街道筋に泊まりを重ねてやがて太田摂津守の城下町掛川にはいった。 近隣の村に秋祭りの祭囃子が聞こえる。 「播磨介さま。チクと見にゆきませんか」 用心深い播磨介もここ一両日例の虚無僧を見ていないので、つい竜馬の誘いに腰を上げた。 「...