1858-09-15

浪人浮浪雲

無銭旅_ 多摩・一ノ宮万平

安政五年九月十五日 こんどの旅は奇行といっていい。無銭旅なのだ。 ーむかしの剣客というもんは、乞食をしながら武者修行したもんじゃ。 「夜道とは驚きましたね」寝待の藤兵衛は、ひたひたとついてくる。 「土佐まで付いてくる気か」「家来ですからね」...