1858-09-25

浪人浮浪雲

江州水口宿 大前田栄五郎

江州水口宿に入った時は、陽もだいぶ傾いていた。水原播磨介の人相を説明し、尋ねるとーそれはあてとこです。と、いちばんおとなしそうな客引き女がいった。番頭の案内で部屋に通された時に、播磨介は、喜んだ。夕食には、どじょう汁が出た。 「ただいま、京...