掛川の宿 清水次郎長

浪人浮浪雲

富士の見える街道筋に泊まりを重ねてやがて太田摂津守の城下町掛川にはいった。

近隣の村に秋祭りの祭囃子が聞こえる。
「播磨介さま。チクと見にゆきませんか」
用心深い播磨介もここ一両日例の虚無僧を見ていないので、つい竜馬の誘いに腰を上げた。

「はて、祭囃子の方向がわかりませぬな」道は、宿場を外れ、すでに人気がない
「坂本さま、もうやめましょう」「そうですな」竜馬はなおも歩いてゆく。
先ほど掛川の宿に入ったところで武士が二人往来を見張っていた。虚無僧のなり変わりの直感があった。彦根者らしい。井伊家の家臣らしい。

「藤兵衛、提灯を消せ」

memo 清水次郎長と28人衆

船持ち船頭・高木三右衛門(雲不見三右衛門)の次男に生まれる。本名、山本 長五郎。
母方の叔父にあたる米穀商の甲田屋の主・山本次郎八は実子がなく、次郎八の養子となった。幼少時代の仲間に「長」(正式の名称は不明)という子供がいたために周囲が長五郎を次郎八の家の長五郎、次郎長と呼び、長じてからもそう呼称されることになりました。

次郎長28人衆
清水次郎長・・・山本長五郎
大政
小政
森の石松
増川の仙右衛門
大瀬の半五郎
法印の大五郎
小松村の七五郎
桶屋の鬼吉
大野の鶴吉
相撲の常吉
関東の綱五郎
寺津の勘三郎
追分の三五郎
国定の金五郎
舞坂の冨五郎
田中の敬次郎
三保の松五郎
四日市の敬太郎
問屋場の大熊
清水の岡吉
鳥羽の熊
辻の勝五郎
伊達の五郎
由比の松五郎
吉良の勘蔵
興津の清之助
吉良の仁吉