1853-03

竜馬がゆく

出立〜からたちのまじない〜

嘉永六年三月十七日 当時、土佐の高知城下では、家の者が旅にたつとき、奇妙なまじないをする。これを、 からたちのまじない というのだ。いつの頃から、はじまったものかはわからない。道中、苦難なことが多いために、ふたたび家郷へ生きて帰ることを祈る...
竜馬がゆく

大歩危

土佐の高知から江戸までの里程は、山河、海上をあわせて三百里はある。まず、旅人たちは、四国山脈の峻険を踏み越えなければ成らなかった、ー 見送りは、領石まで。というのが、城下の習慣だった。親兄弟は、送らない。親戚、知人、ざっと20人ばかりが領石...