1853-03-25

江戸落語の世界(芸能・娯楽)

三十石船 桂文枝

船が天満八軒屋から五里さかのぼって河州枚方についた時は、一番鶏の声が聞こえてきた。目が覚めた時には天がほのかに白み始めている。「どこかね、ここは」男は黙っている。旅の行商人風の男で、ひどく背が低いが顔は不釣り合いに大きい。「あんた、耳がない...
江戸時代の常識・風習

伏見_女酒

日が傾いた頃、船は伏見についた。龍馬が荷物をまとめていると、寝待の藤兵衛からしきりと世話を焼いて、「旦那、伏見のとまりはどこになさいます。」もう人前だから、お店者の言葉になっている。「そうだな。別に当ては、ないな。」「ではこうなさいまし。手...