豪商・商人

幕末の女性

長崎の女傑 大浦お慶

長崎に、油屋町という町がある。西浜町とならんで大商人の店が多い。大阪でいえば船場、江戸でいえば日本橋あたりに相当するかもしれない。その油屋町に、大浦お慶という日本茶の輸出で大身代をきずいた女商人が住んでいる。「その家を借りて会談してもらう」...
豪商・商人

竜馬の写真

「なんだ」三岡が手にとると、竜馬の写真であった。「おれの写真さ。このさきどうなるかわからん。万一のときの形見だと思ってくれ」と、竜馬はいった。「そうかね」三岡はつぶやき、竜馬の顔をみた。竜馬がゆく 8P377長崎上野撮影局日本最初の戦場カメ...
文化人教養人

長崎丸山・花月

その夜、竜馬は、丸山であそんだ。丸山は、江戸の吉原、京の島原とならんで日本三大遊里のひとつにかぞえられたところである。思案橋のたもとに紅燈がゆれ、柳が数本、灯影にあざやかなみどりをたらしている。その橋をわたれば、すでに絃歌のちまたであった。...
諸外国

グラバー商会

翌日、軍艦買いつけに出かけた。「どこで買うのであります?」と、俊輔は饅頭屋に聞いた。饅頭屋は得意そうに、「大浦海岸でござるよ」大浦海岸には、欧米の貿易商人の商館がずらりとならんでいる。「英国人で、グラバーという者です。大浦海岸最大の商館で、...
竜馬がゆく

亀山社中

「さて、御一行の仮り陣屋ですが」と、旅館に入ると、長崎の薩摩藩士が竜馬にいった。「長崎は土地が狭く、手ごろな家屋がなかなかみつかりません。そこであの岡に」と、障子をあけ、港の南側にのびのびとひろがっている亀の背のような岡を指さし、「一つ、あ...
豪商・商人

からくり儀右衛門 凌風丸竣工

初の純国産実用蒸気船、凌風丸日本で建造された最初の実用蒸気船、凌風丸(りょうふうまる)は、幕末に佐賀藩が建造しました。長崎海軍伝習所で1858年(安政5年)頃からカッター型帆船「晨風丸」の竣工や、蒸気機関の「電流丸」の交換用のボイラーや幕府...