1854-10-13

幕末の女性

コオロギの声_落籍

暑い夏が過ぎて、路地のあちこちでコオロギの声を聞くようになった頃、久しぶりに寝待ちの藤兵衛が道場にたずねてきた。 竜馬は重太郎の部屋を借りた。お冴の仇討ち以来である 「少し遠くに出かけていました」 「西国にいっていたのか」 「いいえ、出羽か...