竜馬がゆく

浪人浮浪雲

時雨蛤みやげにしやさんせ_次郎長一家の窮地

その後竜馬は、夜旅を避け用心した。播磨介も、すっかりこの護衛には感謝して、「坂本殿。このご恩は忘れませぬぞ」と、何度もいった。「なに、礼などいわれると」竜馬は嬉しそうに恐縮している。桑名 松平越中守の城下町である。旅籠の亭主が「ただいま、当...
土佐藩

出立の準備

安政三年十月七日竜馬の故郷滞在は意外にながびき、高知を発つ準備をし始めたのは晩秋になっていた。城下を立つひと月前には、親戚縁者知人への挨拶回りに謀殺された。最後は福岡家だった。福岡家のお田鶴様と竜馬の仲が怪しいと城下では評判になっていた。当...
土佐藩

容堂 入洛(じゅらく)

土佐の老公容堂が、いよいよ藩政の直接指揮をすることになり、京に入った。伊達な殿様なのだ。容堂の入洛を見た祇園の芸妓たちは、ー老公云々と世間でいうので、どんな爺ィかと思っていたら、いい男じゃないか。といったほどである。事実、容堂の入京の姿は、...
土佐藩

高麗橋_岡田以蔵

嘉永六年三月二十四日暗い。提灯を持たない竜馬は、橋の欄干に身をすり寄せるように歩いた。「おい」と声を殺して呼びかけたものがある。あっと竜馬は前へ飛んだ。はかまの裾が切り裂かれたのが、足の感触でわかった。龍馬は、じりじりとさがって、橋のたもと...
竜馬がゆく

以蔵捕まる

藩の上層部は「以蔵が幕吏につかまった」と聞いたとき、手を于ってよろこび、「武市一派を白状させる生き証人を得た。ぜひとも身柄をとらえて国もとに送れ」ということになったのである。駕籠にほうりこまれた以蔵は、狂わんばかりにしてどなった。「わしは無...
土佐藩

坂本家_坂本権平

お国帰り竜馬は、寝待ノ藤兵衛とわかれて、単身土佐へ帰った。 藤兵衛が国もとまでついてこなかったのは遠慮したのである。-あっしみてえなのがお供について帰っちゃ、せっかくのお国帰りの錦がよごれます。=========竜馬にとって、江戸出発以来、...