鶏鍋 江戸時代に食べていた鳥は

朝廷・宮家

(桂小五郎)「腹がへった、あれなる農家でめしを焚かせましょう。先ほど、モミ干し場でニワトリをみたが、あれを食おう。どうだ」
(龍馬)「つばがわいてきた」

鶏鍋ができた
「酒は?」「酒までは奢れない」小五郎はさすがに嫌な顔をした。
しかし妙なもので、同じ鍋を口に入れていると、親しさが一段と違ったものになっていった。

小五郎の話すところでは、品川砲台の築造を命じられた時、緋山代官 江川太郎左衛門に同行し、海防の急務を理解させた。それ以降、江川は小五郎のために、洋式砲術の精妙さを説き、さらに西洋人の陸戦の法、歩兵、騎兵、砲兵の機能と使いかた、またインド、Chinaに対する英仏の植民地政策、露国の南下の野望、米国の産業の模様、国家の組織などを説いた。
江川は「このままでは、日本はつぶされる。桂くん、君ら若い人が奮起する時だ」といった。

竜馬がゆく

江戸時代の鳥料理

鳥料理と言われると、現在では、ニワトリとなりますが、江戸時代はそうではなかったようです。
<神聖なニワトリ>
毎日夜明けに高らかに時を告げるニワトリは、神聖なものとされ、殺生禁止令が出ていたほどです。

では、何の鳥を食べていたのか?
江戸時代の「料理物語」によると、一番に上がるのが、鶴でした。将軍家や各大名家で鳥肉と言えば鶴を重視して、何かの折には鶴が食卓に登ったそうです。
先の「料理物語」によると江戸時代の鳥肉で挙げられているのは

鶴、白鳥、雁(がん)、雉子(きじ)、山鳥、ばん、けり鷺、五位、鶉(うずら)、雲雀(ひばり)、鳩、鴫(しぎ)、水鶏(くいな)、桃花鳥(つぐみ)、雀、鶏

絵で語る 知らなかった江戸の暮らし<武士編>より

養鶏ではなくて、狩りで調達する鳥が多いですね。

鶴を食べる

将軍の遊びで「鷹狩りをする」というのをドラマや小説などで目にします。実はそのターゲットの一つが鶴でした。

自然界では、鷹は元々自分より大きな鶴を襲うことないと言われています。
その鷹を飼い慣らし、鶴など大型鳥類を襲わせるように調教することが、将軍の権威を見せることになると考えられていたのです。
そして、もう一つ大きな理由として、

高貴なものと考えられていた<鶴の肉>を、
将軍家は毎年・新年のお祝いとして天皇へ献上していました。

余談ですが、タンチョウヅルはあまり美味しくなく、食用に狙うのはナベヅルだったそうです。

ナベツル