幕末の女性

栄姉さん

なまくら(鈍刀)をもって発つかうとうとした。一刻ばかり、ねむったらしい。たれかが入ってきた気配に竜馬はとびおきた。姉のお栄であった。「なんだ、姉さんか」「竜馬さん、刀をおさがしだそうですね」「あ、もうご存じですか。どうもうちの家内、親族一党...
江戸落語の世界(芸能・娯楽)

酒井雅楽頭(さかいうたのかみ)

「また行くんだよ」と勝は龍馬に行った。これで今年に入って四度目の京阪ゆきということになる。「老中酒井雅楽頭(さかいうたのかみ)を乗せて、さ。二、三日中に品川出帆の予定だ。なんならお前さんもその艦で帰ればよかろう。順動丸だ」「そうしましょうか...
竜馬がゆく

日本を今一度せんたくいたし

故郷の姉に手紙をかいている竜馬の筆さきを、おりょうは横からそっとのぞきこんだ。「これこれ、のぞき見するような不作法はいかん」と竜馬はいった。なぜなら、おりょうの婦人としての教養のために、小笠原流諸礼の本や、習字の折手本などを送れと書いている...
土佐藩

岩崎弥太郎

安政四年十月十日土佐安芸郡に井ノ口村という村がある。「室戸へ行くなら、途中、岩崎弥次郎、弥太郎の様子を見舞ってやれ」と権平が言った。地下浪人の岩崎家とは薄い縁に繋がっているらしい。地下浪人とは土佐にある武士の一種で郷士がその株を他人に売った...
徳川幕府

新撰組と遇う 藤堂平助

制服の羽織を着用している。浅黄地のそでにだんだらを染めぬいたもので、ちょっと芝居の赤穂浪士の討ち入りの服装に似ている。(ははあ、これがいま洛中に有名な新撰組の壮士団か)と思ううち、隊が竜馬の前にとまった。一人が、提灯を竜馬の顔あたりまでもっ...
徳川幕府

吉田稔麿

稔麿は、元結を結び始めた。が、ふしぎと三度結び、三度とも切れて四度めにやっと結べた。(おかしいな)と、乃美老人はだまってみている。「今宵、池田屋へ行くのをやめたらどうだ。元結が三度も切れるとは、不吉ではないか」「行きます」竜馬がゆく5 P8...