1862-04-24

竜馬がゆく

寺田屋騒動2

竜馬がこの異変の宿「寺田屋」をたずねたのは、その翌日である。 寺田屋の台所は三十畳ほどの板の間で、年代が磨き上げた黒檀のような光沢がある。その板の間に白い足袋を映しながら歩いていた女将のお登勢が、ふとのれんをあげて、「まあ、坂本さま」と、奥...