1853-10-20

竜馬がゆく

顔を貸せと言うのかね

嘉永六年十月二十日江戸の秋が、一段と深まった。その日、千葉道場で稽古が終わった後、重太郎が銚子の門弟から酒が届いたと言うので二人で飲み始めた。龍馬は二升ばかり飲み、気がついてみると日が暮れていた。「いかん、門限じゃ」笑い声を残して出て行った...