1853-06-01

徳川幕府

予兆

この年、五月下旬から異常高温がつづき、六月に入っても一滴の雨もふらなかった。「天候だけではないのでございますよ」「というと?」「町家の者も、どこかへんなのです。」「どのようにおかしいんです」「鯉や、大烏賊をまつったり」さな子のいうところでは...