1867-06

竜馬がゆく

船中八策

「将軍が大政を奉還する。京の朝廷はお受けとりになさる。それだけではなんともなるまい。」と、竜馬は言った。「なるほど」京の朝廷は、おおげさにいえば源平時代この方、政権というものを持ったことがないのである。途中、南北朝のころ、後醍醐天皇が一時的...
土佐藩

後藤象二郎

「おれも切羽詰まった」と、竜馬は、カマチに腰を下ろした。竜馬はわざとことばを誇張させて、「土佐藩と手を握りたくなった。へんぺんたるわれら郷士の感情は、あたらしい日本の築きあげのためには捨てねばならぬ。俺はそう思った。」竜馬は、カマチの上であ...