江戸落語の世界(芸能・娯楽)

三十石船 桂文枝

船が天満八軒屋から五里さかのぼって河州枚方についた時は、一番鶏の声が聞こえてきた。目が覚めた時には天がほのかに白み始めている。「どこかね、ここは」男は黙っている。旅の行商人風の男で、ひどく背が低いが顔は不釣り合いに大きい。「あんた、耳がない...
幕末の女性

寺田屋お登勢

「じゃ、その薩長連合を遂げれば」とお登勢が思わず膝をすすめると、竜馬は手で制し、「おいおい、声が大きすぎる。近所に聞こえるわぃ」といった。「きこえやしませんよ。ここは2階だし、ご近所はもう寝静まっていますから」「軒下を幕府の偵使が歩いちょる...
江戸落語の世界(芸能・娯楽)

頭に情景が… 棋聖・天野宗歩

突然学問をすると宣言した竜馬。資治通鑑を独学で学んでいると聞きつけた若侍たちに音読で読んで聞かすと支離滅裂な我流・・たまらず皆が笑い出し・・「タマルカ」そううごめいている。これが辛抱できようかという意味である。「竜馬、それでは意味がわかるま...
竜馬がゆく

下関についた 白石正一郎

下関には、藩主毛利公から名字帯刀を許された豪商で、白石正一郎というふしぎな人物がいる。ふしぎな、というのは、商人のくせにこの時代、めずらしく尊皇攘夷の志士で、長州藩の過激派を始め、諸藩脱藩浪士をかくまったり、泊めたり、資金を与えたりして、影...
土佐藩

ちょっと用足し 井口村刃傷事件 その後

午後になって、飛び込んできた数人の気の荒い軽格連中が、「坂本さん、いよいよ戦さじゃぞっ」と叫んだ。「なぜじゃ」「上士の連中が、死んだ鬼山田の屋敷に集結していて、池田寅之進の屋敷に斬り込もうとしている。すぐ池田屋敷に来てくれ。総大将のあんたが...
徳川幕府

咸臨丸、出航

このあと半年というものは、竜馬はひまさえあれば小竜の屋敷にあそびにきてその夢をものがたった。小竜もそのうちだんだん竜馬の夢に乗せられて、本気で艦隊建設のはなしを談ずるようになった。 (竜馬がゆく2-P190) 遣米使節団 咸臨丸が品川を出港...