諸外国

諸外国

グラバー商会

翌日、軍艦買いつけに出かけた。「どこで買うのであります?」と、俊輔は饅頭屋に聞いた。饅頭屋は得意そうに、「大浦海岸でござるよ」大浦海岸には、欧米の貿易商人の商館がずらりとならんでいる。「英国人で、グラバーという者です。大浦海岸最大の商館で、...
幕末の女性

馬関戦争

のちに明治陸軍の創設者の一人になった山縣有朋、当時まだ若かった足軽上がりの山形狂介が、壇ノ浦砲台の隊長になり、眼前に展開する西洋艦隊を見ながら、酒樽十丁のカガミをポンポンと抜き、「さあ、何はなくとも眼下に並んだ夷艦十八隻、あれを肴にぞんぶん...
諸外国

英国公使館焼き討ち

江戸桜田の長州藩邸にいる同藩の過激有志の旗がしら高杉晋作が、「薩摩藩が、生麦で夷人を斬って天下の攘夷のさきがけをした。長州藩たるものがそれに負けていてはならぬ」と、同志に説いた。高杉のいうところでは薩摩藩に勝つにはもっと大きなことをやらなけ...
竜馬がゆく

えげれす船

文久元年 万国幟印, その真っ黒い怪物が近づくにつれて、正体がはっきりしてきた。黒船である。「親方ァ、黒船じゃァ」水夫たちも、初めて見る物体らしい。このときの水夫たちの驚きは、現在のわれわれみな、舳へ集まった。「どこの船じゃ」第三章に、国旗...
浪人浮浪雲

掛川の宿 清水次郎長

富士の見える街道筋に泊まりを重ねてやがて太田摂津守の城下町掛川にはいった。 近隣の村に秋祭りの祭囃子が聞こえる。 「播磨介さま。チクと見にゆきませんか」 用心深い播磨介もここ一両日例の虚無僧を見ていないので、つい竜馬の誘いに腰を上げた。 「...
江戸時代の常識・風習

プチャーチンの遭難

「坂本さん、どうなされたのです。」千葉道場に戻ると、みな竜馬を見て驚いた。この地震騒ぎの中、女をおぶっている。「この女は深川まで帰るのだが、この騒ぎ、明け方まで預かってくれんか。藩邸の様子を見て来る」鍛冶橋屋敷について様子を聞くと、御門の瓦...