航海練習生募集開始 高松太郎

高松太郎のちの坂本直 土佐藩

文久三年五月の暮、諸藩士や浪人たちが、「航海練習生」になるために、ぞくぞくと神戸にやってきた。
竜馬は、新築の寮舎の奥の一室に陣取り、毎日のように新入生のあいさつを受けた。さっとこの月は、二百人。
龍馬の長姉で、安芸郡の郷士高松順蔵の妻になっている千鶴の長男高松太郎も入所した。

(竜馬がゆく4 P15)

高松太郎

龍馬の長姉、千鶴の長男。のちに坂本家を継ぎ、坂本直となります。
19歳の時、九州に剣術修行の旅に出て旅先で武市半平太に出会ったことをきっかけに土佐勤王党に加盟し、尊皇攘夷運動に身を投じます。
その後、叔父龍馬の紹介によって幕臣「勝海舟」の弟子となり、勝と龍馬が主導した「神戸海軍操練所」で航海術を習うが、文久3年の八月十八日の政変(長州藩の京都落ち)の影響と、土佐藩内の土佐勤王党弾圧が厳しくなり脱藩。

北海道・函館との縁

明治政府の役人として、慶応4年に箱館・五稜郭に渡り、
戊辰戦争最後の戦いとなる箱館戦争にも新政府軍の一人として従軍しました。
2019年11月10日。北海道坂本龍馬記念館も「第16回龍馬祭」において、高松太郎(坂本直)モニュメントの除幕式が挙行されました。