1859-08

文化人教養人

河田小龍

(洋学も学ばにゃ、ならん)と、竜馬はだいそれた野望をおこしたのである。「洋学。-」武市半平太も驚いた。武市は、漢学、国学に造詣がふかいが、洋夷の学問まではやっていない。竜馬は、世界のことが知りたい。万里の波濤を蹴ってこの極東の列島帝国まで黒...
徳川幕府

法螺屋 竜馬

法螺屋 竜馬 (小竜)「のう坂本さん、西洋と対抗する第一は、まず産業、商業を盛んにせねばならぬ。それにはまず物の運搬が大事であり、あの黒船が必要じゃ」(龍馬)「よし、その黒船をなんとか都合しよう」「お前さんが、黒船を?」と小竜先生はいった。...
土佐藩

蘭学通、竜馬

蘭学通、竜馬 そのうち、絵師の河田小竜のほうから、饅頭屋長次郎を使者にして、竜馬のもとに、「会いたい」といってきた。使者の饅頭屋は苦笑していった。「あんたは、蘭学通じゃという評判が城下にたっっちょります。河田小竜先生がそれほどの学者ならこち...
土佐藩

近藤長次郎2

蘭学者 翌日、饅頭屋がたずねてきて、おなじ蓮池町に住む長崎帰りの医者のもとにつれて行った。========= 蘭学者は、ねずみのような顔をしていた。この蓮池町の蘭学者の名前は、残念ながら残っていない。========= ねずみの翻訳は、なか...
土佐藩

近藤 長次郎

まんじゅう屋 蓮池町の河田邸というのは、小さなせせこましい家で、そこにはいつも画学生が五、六人はたむろしている。その一人が、取りつぎに出た。「あっ、これは坂本さま」と、大きなまんじゅう鼻をひろげた。べちゃ鼻の多い土佐陣にしてはめずらしく鼻が...